建築とアイドルの間

現場監督とAKBオタクの間

10分の確認で2ヶ月の努力が報われる話~R4年一級建築士製図試験~

この文章は私がR4年の一級建築士製図試験を受けた直後に書いたものです。

ちなみに無事落ちました。

 

製図試験とかいう己の限界との戦い

製図試験って何をどこまで頑張れば合格できるかわからないから、どれだけ勉強しても不安がつきまとう。

仕事が終わってから勉強して、日曜は学校に行って、休みのない日々を過ごす。

漠然とした不安、これでいいのかという不安。出口のないトンネルを歩くような日々。

心身を削って挑む製図試験だからこそ、いかにミスを無くすかが重要。

この記事は、そんな製図試験において回避できたはずのクソミスを犯した自分への反省文です。

 

 

 

初年度の所感

そもそも製図が大嫌いなのでモチベーションは低め。

仕事も現場監督だから設計の知識なんてほぼ使わないし、勉強してても学科ほど楽しくない。

というかそもそも勉強の仕方がわからない。

こんな低空飛行のテンションで望んだ初年度(R3年度)の試験は法令アウトのランクⅣ。

でしょうね。って感じでショックはなかった。

30枚図面かけと言われるなか、宿題も出さず、自主的に書いた図面はたったの2枚。

書ききっただけ御の字でしょ!と自分にくそ甘。

まあ、あと2回あるし、やり方はなんとなくわかったから来年頑張ろ~くらいの気持ちで初年度を終えた。

 

2年目の決意

相変わらず製図は嫌いなので絶対今年で蹴りつけてやる、と思って勉強開始したのが課題発表後。

過年度生のアドバンテージを全く生かさずに今年度の製図試験勉強を開始。

初年度にエスキスで手こずって、試験は高さ制限に引っかかった+アプローチ計画がクソだったので、法令遵守とアプローチ計画を中心にエスキス手順を確立していった。

結果的に自分にとってすごくいい手順だったと思う。

あと去年はやってなかった課題の復習。

去年は回答例を眺めてへぇ~と思って終わっていたところを、回答例を見ながらなぜそのアプローチにしたのか、スパン割をどう考えたか、ゾーニングはどうなっているかをノートにまとめていました。

復習したことで、プランがまとまりやすくなったと実感した。復習大事。

相変わらず作図はしなかった。宿題は出したけど、自主的に書いた図面0。受かる気あんのか。

でも自信だけはあった。なぜなら去年本番で3時間以内で書ききったから!

Y・D・Kなんですよ。やればできる子。やらないだけで。

そんなこんなであっという間に2ヶ月が過ぎ、直前期は記述を中心に勉強。

受かりたい気持ちより早く終われと思いながら当日を迎えた。

 

いざ本番

階数自由とか、杭基礎とか、ペリメーターゾーンの作図とか、所見で面食らいながらもエスキスはあっさり終了。100分でまとまった。怖すぎる。

記述に時間かかると踏んで、見直しの前に記述に突入。

思えばこれが良くなかった。

ペリメーターゾーンなんて何書けばいいのかわからなかったのでちょっと焦ったけど、埋めた者勝ち!の精神で書き殴る。

ここまで210分。順調すぎる。

一回見直そうと思って、要求図書と図面の整合を確認。このへんにミスはない。

間違えたら一発アウトな延焼ライン、防火区画、高さ制限もOK。

あれ?割といけてね?と思いながら作図に突入。

また3時間半余っていたので余裕ぶっこいてた。

ゴリゴリ書いて、補足も外構もしっかり書いて、面積表も書いて、部屋名も課題文にらめっこしながら書いて、よしできた!ここまで360分。あと30分も余っている。

よしじゃあ確認しようと思って、防火設備や特防の落としがないか、部屋名間違えてないか、その他諸々をチェック。

よしOK!と思って余裕を持って試験を終えました。手応えあり!

さて、ここで私は重大なミスに気づいていません。一発アウトの重大なミスに。

 

最上階の階段は魔境

今回の要求図面は1階、2階、最上階、断面図の4つ。

今までの課題は1階、2階、基準階の最下階(3階)、断面図を書くことが多く、すっかりそれに慣れていた私。

課題と試験で決定的に違うのは、最上階を書くということ。

つまり、階段は最上階で終わりなのだ。

しかし手癖とは怖いもの。最上階の利用者階段に思いっくそ破断線書いた。屋上に昇る矢印も書いた。

しかし、実際に屋上に上がれる階段は管理階段だけ。断面図も管理階段の塔屋だけ書いてある。

あーあ。やっちゃったね。図面の不整合。一発アウト。お前の2ヶ月水の泡。

 

見直し項目は事前に決めておこう

元来、私は見直し・確認という行為が大嫌いです。現場監督としてどうなんだ。

なので、課題や宿題はサラッと見直して提出してました。そして採点で真っ赤に染まって帰ってくる図面。

本番も思いつくままに見直ししたので、思いついてない項目は見直してない。

だから階段を間違える。クソミス。それさえなければ合格は固かったと言われる始末。

至極ごもっとも。

ということで、次回受けるときは見直しリストを予め作成します。

エスキスや作図もそうだけど、手順や内容は予め決めておくと余計なことを考えずに済む。

それにしても悔しい。次はカド番。問題が解けなかったとかじゃないから悔しい。

図面を書いた自分と、見直ししてる自分は他人と心がけよう。

 

終わり